2009年と2012年の「レオン」て雑誌があったんで読んでみたら「大きく変わらない」。
ラグジュアリーはラグジュアリーの保守的かつ様式美的な「ファッション言語」があり、トレンドとはまた別の言語が存在した。
面白かったんで書き起こし。
◾︎紳士服(スーツ)が大きく変わらない理由
1、ベストなカタチが決まってる。
ジャケットの「肩幅、身幅、袖丈、着丈」は、ベストなカタチってのが決まってる。
*着る人に合ったベストサイズ感。
パンツにしても、ウエストからの「緩いテーパードライン」のスラックスが最もベーシックかつ綺麗に見える。
シャツはジャケットと同じ。
故に、「この範囲の中で遊ぶ」ようになる。
2、トレンドの形もある程度決まってる
スーツは「イングランド」「イタリア」「アメリカ」の系統で大別される。
ラペル(襟)の太さ、後ろの切れ込み(サイドベント、センターベント)、身体のライン(X時かストレートか)、素材感(イタリアは薄め、他2つはしっかりした生地)など。
「この中で何が流行るか?」がメイン。
現在の主流は「イングランド式」。
ラペル太め、生地しっかり、X時のライン。
実は2012年のレオンでも「変わらなかった」。
6年間トレンドが動いてない事になる。
このくらい「ゆっくりと進んでる」。
3、「服」全体のベーシック
スーツが綺麗に着れれば、他のどの服も綺麗に着れる。
肩幅、身幅、袖丈、着丈の基礎項目は「全ての洋服共通」。
その基礎を持って作られてるという事は「洋服のベースがスーツにある」。
最高のベーシックであるが故に、変わる必要も変える必要もない。
◾︎トレンドとは?
「流行り」。
要はスーツだけじゃ飽きちゃうから、色々やって楽しもうぜ〜ってやつ。
アメリカや日本含め「そっちから入る」。
ここに誤解が生じる。
⚫︎トレンド=洋服じゃない
だから感覚がおかしい。
アメリカや日本の感覚ではトレンド=洋服であって、スーツは洋服扱いされてない。
ヨーロッパでは「基礎を先に学ぶ」。
身体にフィットしたサイズで着て、何をどうすると綺麗な着こなしで、着こなしの作法はどういうものなのか?
「その基礎があればこそ」トレンドを取り入れていける。
アメリカや日本では「ファッション=目立つ事」だが、ヨーロッパでは「社交」。
外に自身の振る舞いと教養を見せるために「服を着る」。
派手さや目立たせる事は「品がない人」という宣言をしているのと同義であり、知性を感じない。
やっぱ「本質的に違うモノ」だった。
◾︎言語の違い
「トレンド」なのか「マナー」なのか?
トレンドは、派手でカッコ良く、面白く、すぐに去る。
マナーは、地味だが本質的で、面白さはないが、いつ見てもカッコ良く不変。
今俺は「後者にハマってる」。
紳士服の「細やかな部分」にハマると、雑なトレンドに興味がなくなる。
丁寧なサイジングと狙ったカタチで作られるラグジュアリーメーカーは驚嘆の一言。
あれは見るたびに惚れる。
◾︎まとめ
紳士服はこれからも大きくは変わらない。
しかしながら「それこそがカッコいい」。
洋服のベーシックであり、これを着こなす事は基礎を使いこなすという事。
なんでもそうだが「基礎が一番難しい」。
野球でも「完璧なバットコントロール」ができれば、ヒットを量産する事は容易い。
だが、それだけのことをするのに膨大な時間と経験がいる。
その積み上がった先がラグジュアリーファッション。
面白いですよ♪