ヴィンテージレギュラーフィットチノは「昔ながらのアメリカントラッドなチノパン」。
スリムフィットチノは「ヨーロッパのドレスライクなスラックス(トラウザー)タイプのチノパン」。
以下、説明や使い方などを。
◾︎ヴィンテージレギュラーフィットチノ
「ザ・チノパン」。
アメリカを原産とする「元・作業着」。
素材は丈夫さを重視するため、生地が厚めで、糸が太く粗め。
雑に扱えるタフさがあり、多少使い古しても見た目上許される。
動きやすさを重視し、太ももからストレートに落ちたシルエット。
「UNIQLOのモノは多少テーパードがある」。
現代的な見た目になっており、少し綺麗に見えるようになっている。
◾︎主な用途は「アメカジ」
分厚い生地なので、スウェット、パーカー、デニム生地のモノや、分厚いウール生地(メルトンなど)と相性が良い。
さらに緩いシルエットにより、ノースフェイスやコロンビアなどのアメリカンアウターとも相性が良い。
とかく「アメリカのメーカーの製品と相性が良い」と覚えておくと良い。
◾︎スリムフィットチノ
ヨーロピアンチノ。
トラウザー(スラックス)要素濃いめ。
こちらは生地こそ厚めながら、糸が細かく艶感があり、どちらかといえば繊細な印象。
ちなみに、ヨーロッパの服飾文化は「貴族が作った」。
貴族は働く必要もなく、動く必要もない。
故に「綺麗」で「身体にフィットしたモノ」が主流となった。
一例を出すとすれば、ジーンズの色落ちはカッコいいが、スラックスの色落ちはみっともないと感じるなど。
そういう思想から生まれてるのが、通称「ドレス服」。
*余談
「高いモノ=耐久性があり実用性があるモノ」というのは日本の価値観である。
「高いモノ=金が有り余ってる人が買うモノ」というのが「欧米の考え方」。
特に、イタリア、フランスに端を発しているモノは顕著にその特性が出る。
高級車、高級服など、価格がぶっ飛んでるモノ全てそう。
以下本題に戻る。
つまり、綺麗に使うコトが前提で、その面でもトラウザー(スラックス)に近い。
スリムフィットチノというだけあって「非常にスリム」。
シルエットはストレッチウールパンツ(スーツの下に使うやつ)が最も近い。
綺麗でドレスライクなチノパンが欲しいならこちら。
⚫︎ドレス使用がメイン
生地こそチノパンだが、綺麗なシルエットと艶のある素材。
ジャケットやスリムな服と相性が良い。
ジャケットやコートの下に合わせたり、ハイブリッドダウンパーカーのような身幅が狭く、スッキリしたシルエットのモノと合わせる。
細身繋がりで、モンクレールの細いダウンとか、カナダグースの国内仕様(ダウンが少なく身幅が狭いやつ)とかとも使える。
どちらかと言うと「ヨーロッパの製品と相性がいい」。
◾︎名前は同じチノパンだが「別物と言っていい」
だからこそ商品を分けていて、それ故に用途が異なる。
チノパンってのは素材のチノクロスから来ていて…という能書きは「男前研究所」に詳しいのでそちらを見てもらうとして。
アメリカ出身で、労働用途がメインだった、丈夫で、「ジーンズに近いチノパン」。
ヨーロッパ出身で、貴族がパーティで見せるためのパーティ衣装用途だった、「スラックスに近いチノパン」。
この2種類。
違いを書いていく。
◾︎アメリカのチノパン
1、丈夫で耐久性がある
2、分厚い
3、ストレート
4、汚くても格好がつく
元が労働着。
*原典は軍服だが、丈夫なため労働着として用いられるようになった。
故に「丈夫で」「分厚く」「動きやすいストレート」。
そして、アメカジ特有の「汚くても格好いい」。
代表的なメーカーは「ディッキーズ」「カーハート」など。
リーバイス、レッドウイングなど、労働者が使っていたモノから端を発するモノは、汚くても格好いい。
通称「味」という。
むしろ綺麗だとおかしいくらい。
アメカジ好きはこちら一択。
◾︎ヨーロッパのチノパン
1、艶あり
2、テーパードスリムフィット
3、耐久性は弱い(汚れるとおかしい)
4、綺麗に使う事が前提の見た目
ヨーロッパのは逆。
働く必要のない貴族がパーティで着る衣装として進化した。
故に「綺麗であるコト」が大前提の性能となっている。
それを前提とした、美麗なシルエットと艶のある素材で品の良さを演出する。
ラクに着るアメカジとは逆で、手間をかけて綺麗に自分に合ったサイズで着るのがヨーロッパ式。
ヨーロッパの高級ブランド(インコテックスとかPT01とか)のチノパンは、総じて綺麗。
だが「汚いとおかしい」。
スーツも同じ。
綺麗に着る必要がある。
ジャケパンで使うなど、ドレス重視の使用であれば、こちらがオススメ。
◾︎まとめ
ヴィンテージレギュラーフィットチノは「アメリカのチノパン」。
アメカジと相性が良く、アメリカ産の服(デニムを使ったモノやダウンなど)と組み合わせると使いやすい。
スリムフィットチノは「ヨーロッパのチノパン」。
スラックスベースで、ヨーロッパ産の服(ジャケットやコートなど)と組み合わせると使いやすい。
アメリカのチノパンは「ラフに使う」。
ヨーロッパのチノパンは「綺麗に使う」。
以上です。
お好みをお手に取って頂ければ幸いです。