今使えるEVは「ない」。
ただし「10年後は覇権になり得る」。
ここを勘違いしている人が物凄く多いので、ちょっと書いてみる。
▪︎既存の技術では「EVは使えない」
走行距離が短く、充電が長く、充電する場所が少ない。
「今は」使い物にならない。
▪︎今は「日本の軽自動車」と「2〜3リッター(相当のターボ)エンジン+ハイブリッド」が最強
コストやら、生産やら、耐久性やらを踏まえて考えると、これが双璧。
要は「低排気量で軽くて燃費がいいクルマ」か、「重いけど燃費の悪い領域(発進+加速)をハイブリッドがカバーしてくれるクルマ」。
ガソリン車を超える効率を出せるモノは他に存在しない。
そのため、ガソリンエンジンを効率よく動かせる仕組みのモノが最強となる。
▪︎EVは「スマホになり得る」
生活必需品。
物凄く分かりやすく言うと「移動する部屋」になり得る。
ここのポイントは「大量の電気が使える」という事。
クルマというのは、実はほぼ電化製品。
エアコンがあり、モニターあり、カーナビあり、オーディオありで、今の時点でもほぼ「部屋」である。
キャンピングカーなどでは、電子レンジや冷蔵庫もあり、照明もある。
将来的にはここに自動運転も加わる。
もはや「動く部屋」と言っても過言ではない。
今のキャンピングカーだとサブバッテリーの関係で使用時間の制限がかなりある。
…が、メインバッテリー=走行距離であるEVの場合、そうした制限がなくなる。
将来的にバッテリーの問題が解決して、電化製品が使いたい放題出来るという状態になった時、ほとんどの人はEVに移ると思う。
▪︎代替燃料=合成燃料による進化は?
合成燃料の問題は「既存技術とほとんど変わらない」という点にある。
要するにメリットが「ガソリンエンジンと変わらない」という事。
ガソリンエンジンのメリットは…
1、航続距離がEVより長い+お手軽
2、車体が軽い
3、フィーリングが気持ち良い
この3点。
逆にデメリットは…
1、便利装備に制限がある
2、うるさい
この2点。
要するに「楽しさはエンジンのほうが上」。
「利便性はEVの方が上」なのである。
▪︎趣味のエンジン、実用のEVになる
エンジンのメリットは「軽い」「フィーリングが気持ち良い」。
軽い=運動性能が高い。
フィーリングが気持ち良い=乗ってて楽しい。
しかしながら「軽い」というのは、そのぶん「乗り心地が悪い」という事でもある。
これはバイク乗りなら皆んな知ってる事で、100kgのスクーターと300kgのゴールドウイングでは、天と地ほどの乗り心地の差がある。
単純に「地球には重力がある」ため、重いほど地面に押し付けるエネルギーが強くなる。
走った時に「路面から突き上げてくるエネルギー」は「車体が重いほど影響を受けにくくなる」。
軽いとすぐ跳ねるけど、重いほど跳ねない=乗り心地がいいとなる。
つまり「重量があるEV」は「乗り心地が良くなる」。
家電との親和性の高さは前に説明した通りで、それはつまり「利便性の高さ」に直結する。
つまりEVのメリットというのは…
1、超絶な利便性
2、乗り心地が良い
となる。
普通にクルマを使いたい人が買うならどっち??
そりゃ便利で快適な「EV」だよね。
だから「走るのが趣味な人が買うエンジン車」と「便利で快適なクルマが欲しい一般人が買うEV」に分かれる。
▪︎分岐点は「バッテリー容量」
普通の人が「1週間充電しなくても使えるくらいの容量になった時」に、爆発的にEVが流行る。
現在のクルマやバイクが「航続距離300〜1300kmくらい」。
*バイクはおおよそ300km前後。クルマはピンキリだが最大で約1300km。
んで、給油が週に1回〜数ヶ月に一回。
*自家用車の場合
これと同じレベル…即ち「週一で電気ステーションに充電しに行けば良いくらい」になった時に、一気に加速し得る。
基本的にスマホと同じで、充電容量の上20%は「充電時間がかかりすぎる」+下20%は「不安で使い切りたくない」。
なので、それを加味して、さらに容量に余裕ができる「航続距離2000km以上のEV」が出てきた時に、一気に風向きが変わる可能性が高い。
*間の60%ぶんの1200kmくらいが余裕で走れる。バッテリーが劣化しても問題ない。
値段はアルファードかクラウンくらい。
*600万前後。
つまり「航続距離2000km以上」で「600万以下」。
これでほぼ自動運転がついてるクルマが出てきたら、iPhone並みの衝撃がスタートする。
そしてそれは「そう遠くない未来に起き得る」。
まとめ…は面倒なので端折る。
EVの時代は10〜20年後には「必ず来る」。
静かで速くて、乗り心地が良くて「利便性が最強」。
流行らないわけがない。
突破口を開くのは「BYD」か「テスラ」か「ホンダ」。
ホンダはソニーと組んで、本当にガチで新技術をモノにしようと画策している。
ホンダ自体、新しいモノや実験が大好きな理系変人メーカー(褒め言葉)なので、マジでやってくる可能性がある。
既存技術を昇華させるのが得意なドイツ勢とトヨタは、「そういう新製品が出た後」に「後追いで最強のクルマを出してきます」。
なので、最初の一歩は上記の3社から出るでしょう。
超絶便利で乗り心地が良く、静かで環境にも優しいクルマ。
期待して待ちましょう。