「UNIQLOで一番暖かい」という売り出しのコート。
売り文句に違わず、本当に暖かい。
まるで羽毛布団を着ているかのような暖かさ。
パッと見で一番近いのはカナダグースの「シャトー」だが、ミリタリー好きには「N3B」と言った方がしっくりくる。
色々とレビュー。
◾︎モノ(生地感、重量、見た目)
◼︎生地感はほぼポリエステル
コットン調だなんだ言ってるが、完全なるポリエステル。
防風エクストラウォームイージーパンツと同じ生地感。
柔らかく、ユニクロらしい主張の少ない生地感で、どちらかといえばレディース寄り。
ノースフェイスやコロンビア、パタゴニアのような硬さがある「メンズライクな生地感ではない」。
撥水加工があり、多少の雨、雪などに耐性がある。
耐久性のある生地という触れ込みではあるが、ある程度の年数を使わないと不明なため割愛。
◼︎重量は「重め」
シームレスダウンなどの冬仕様の一般的なアウターとの比較すると、かなり重い。
さすがに中綿とダウンの量が違う。
通常のアウターはダウンor中綿のどちらかで構成される。
ハイブリッドダウンのように、見頃はダウン、それ以外は中綿など。
シームレスダウンはダウンのみなど。
ウルトラウォームダウンコートは「中綿+ダウン」で全体が構成される。
そのため、「重く」「分厚い」。
体感でハイブリッドダウンの2倍くらい。
その代わり当然、暖かい。
◼︎見た目は「ほぼN3B」
分厚く「ザ・アウター」と言う感じ。
ミリタリーアウターなどに精通してる方は、ほぼ「N3B]といえばイメージしやすい。
アルファの軍用のアウターを着た時のように着膨れする。
これはガチ仕様のため致し方ない所。
カナダグースにしろ、寒冷地仕様のモノは太く厚みがあり、その分ダウンや中綿を厚くして保温性を確保してる。
ちなみにカナダグースの薄いやつは「街着用に作られたモノ」。
カナダグースが本気で作った寒冷地仕様は全くの別物です。
詳しくはここ。
使い分けが重要。
ウルトラウォームダウンコートの見た目が太いのは「寒冷地仕様で中綿とダウンを厚くして保温性を確保してるから」。
つまり、カナダグースの寒冷地仕様と同じ理由。
暖かいアウターが欲しくてこの商品を選ぶはずなので、分厚い見た目は「期待通り」。
意見が分かれるのは「生地感」。
上でも書いたが、非常に柔らかく中性的な生地。
寒冷地ダウンで「タフな仕様が欲しい」という硬派な方と、寒冷地ダウンが欲しいけど「タフな仕様が苦手」という方で意見が分かれる。
この商品は「柔らかめの寒冷地ダウン」。
着る人を選ばないし、従来のタフネスダウンが苦手だった人には朗報。
逆に、従来のタフネスなギアが欲しい人には向かなかったりします。
▪ディティール
細かいとこを。
1、袖に風を防ぐ仕様がある
そでの「かえし」みたいなやつ。
おかげで袖から風が入ってこない。
2、フルジップで前立て耳当て
*上の画像はカナダグースのエクスペディションパーカー。
下がUNIQLOのウルトラウォームダウンコート。
モデルが細すぎ&首が長すぎて耳まで来てないが、普通の人はファーの部分が耳にあたるくらいにくる。
*上の画像のように首〜耳をカバーしてくれる。
つまり「首の部分の隙間がなく、耳までカバーされる」。
ニット帽+マフラーorネックウォーマーの効果倍増。
▪身幅より裾幅が狭く、風が入りにくい
画像では分かりにくいが、逆三角形のようなシルエットになっており、さらにフリップというか風の返しが付いている。
裾がビロビロだと風が入ってきて寒いが、長い丈の裾部分に足をカバーするようにフリップがあり、風が入りにくい。
こういう地味な仕様で、実際の着心地が変わってくる。
さすがに行き届いた仕様と言える。
◾︎UNIQLOのハイブリッドダウンパ-カーと見た目の比較
ウルトラウォームダウンは一部店舗でしか売ってないため、どこでも売ってるハイブリッドダウンパーカーと比較する。
完全に一回りデカい。
縦も横も厚みも全て。
両方置いて見比べてみるとビックリする。
暖かさは当然違うが、それは分かりきったコトなので割愛。
*参考までに「ハイブリッドダウン→シームレスダウン→ウルトラウォームダウン」の順番で暖かい。
サイズ選びはワンサイズアップを推奨
ハイブリッドダウンパーカーがLであれば、ウルトラウォームダウンはXLが良い。
理由は2つ。
分厚いぶん、表記よりも身幅が狭いコト。
ウルトラウォームダウンは肩幅が狭く、肩周りに余裕がないコト。
表記上はハイブリッドダウンLサイズの身幅が63、ウルトラウォームダウンLサイズの身幅が64.5である。
一見同じように見えるが、厚みの分狭い。
細身の方ならいけるが、ハイブリッドダウンがギリと言う人はワンサイズアップした方が良い。
*ウルトラウォームダウンXLで68.5だが、筆者はちょうど良かった。
肩幅はハイブリッドダウン50、ウルトラウォームダウン48。
しかしながら、ウルトラウォームダウンは肩が上がらず、袖丈が短い。
*ハイブリッドダウンは丁度いい
キツい方が防寒には有利なため、あえてそうしている可能性はある。
それはそれとして、キツいものはキツい。
ウルトラウォームダウンXLは50なので、ハイブリッドダウンと同じ感じで着るコトができる。
なので、ワンサイズアップ推奨。
◾︎究極のコスパ
この暖かさが「15900円で手に入る」のは驚異的。
*2022年は値上がりして17900円
確かにこの時点では「ちょっと高い」。
なんとセールで「9900円」になる。
*2020/12/18辺りからのセールでなった。毎年12月後半のセールで特価価格になる傾向が強い。
9900円っつったら、カナダグースの1/10、ハイブリッドダウンの定価と同じ。
もはやわけわからん価格。
寒い時期に暖かく過ごせる寒冷地仕様のダウンコートが9900円。
*2022年は不明。
暖かいアウターが欲しいという方、ぜひお試しください。
▪寒冷地での性能は不明
筆者は3大都市圏住まいのため、0℃までの耐久性しか分からない。
徒歩の0℃では「極暖+ヒートテックフリース」にウルトラウォームダウンコートで余裕。
バイクの0℃では、上記+ウルトラライトダウンで平気だった。
しかしながら、マイナス温度での使用感は分からない。
本気仕様だけど、本気の場所で使ったときの実力は分からない。
この記事では「0℃までの使用感」ですので、ご了承ください。
◾︎余談。20年前の服の値段
無名のダウンで数万、名の知れたダウンであれば5万~が相場でした。
薄い中綿+裏地に薄いフリースを張り付けただけのコロンビアのライトアウターで10000円。
保温力?何それ美味しいの?カッコよきゃいんじゃね?が普通だった。
2万円辺りまでは、ユニクロのチェスターコートの保温性とほぼ変わらない保温力の服しか選択肢がなかった。
今やワークマンで3000円で買える中綿レベルの保温性を求めても数万円はしたくらい。
現在、10000円でトップのダウンメーカーと並ぶくらいの保温力が手に入る。
UNIQLOに感謝ですよ
価格破壊をありがとう。
フリースなんざ1万円だった(元々は山用の高機能素材が発祥)し、エクストラファインメリノだって1万円だった(ウールの上位互換だった)し、スーピマコットンだって6千円はくだらない状態(綿の上位互換)だった。
チェスターコートは20000円以下は分厚いメルトン生地しかなく、ウール&カシミアの手触りの良いコートなんざ5万はくだらなかった。
この値段でこのクオリティのモノが手に入るのは、ユニクロが価格破壊してきた賜物。
デザインがどうとか色々あるが、それを補って余りあるほどの金銭的自由を提供してくれた。
ありがとうユニクロ。
こんなに気軽に質のいい服を楽しめるようになって最高です♪
▪まとめ
ウルトラウォームダウンコートは暖かい。
素材は柔らかく中性的で、誰もが馴染みやすい。
反面、重いが、それは中綿+ダウンで確かな保温力を確保したがゆえ。
見た目は完全に「N3B」。
中性的な素材ゆえにガチガチのタフさはないが、逆に使いやすく人を選ばない仕様。
風を通さない仕組みが随所にあり、細かいとこまで作り込まれている。
*当方関東住まいのため、本気の雪国(マイナス10℃以上)での使用を保証するモノではありません。0℃前後の環境では快適に使えます。
見た目はハイブリッドダウン比較で一回り大きいが、実際のサイズはワンサイズアップ推奨。
中身が小さめの作りなのと、肩周りの仕様が微妙。
あえて小さくしているとしても、着ていて辛ければ意味がない。
ハイブリッドダウンと同じサイズ感で着るなら、ワンサイズアップで丁度良い。
細身だったり、標準より肩幅が狭いと言う人は、ハイブリッドダウンと同じサイズでもOKです。
関東ではオーバースペックなウルトラウォームダウンコート。
暖かい冬を過ごすなら、選択肢に入れても良いかと思います。