お洒落とバイクと好きなコト。

イタリアンクラシック(クラシコイタリア)とバイクが趣味の人のブログ。好きなコトを自由に書いてます。

高級品は「本当に素晴らしいモノなのか?」。高級品は大したことないと知る事が重要。

 

眺めるにはとても良く、語るにもとても良い高級品。

しかしながら「実際の使い勝手はどうなのか?」。

つまり、現実として高級品を買った場合、どれくらい使用するのか?

使いやすいのか?

「日常的に使うモノとして」最適なのか?

服、時計、バイクでそこそこの高級品を買ってきた筆者が「現実としての高級品」を考察してみる。

 

◼︎モノと実例

1、10万のスーツ

約10年所有したが、着た回数は10回未満だった。

まず問題として「着るのがもったいない」。

そしてもっと大事なのが「着る機会がほぼない」。

日常的にスーツの職種であればまだ良い。

しかしながら、それ以外でスーツを着る場面となると「結婚式に呼ばれた時」「葬式」「デート」「面接」くらいしかない。

筆者は「結婚式」「葬式」でしか着なかったため、10回未満となった。

重要なのは「ビジネス(面接含む)では着ない」という事。

ビジネスでは「失礼のない程度にキチンとしたモノである必要がある」。

しかしながら「度を超えて高級だと失礼な印象を与える」。

こいつ仕事に遊びに来てんのか?

目立ちたがり屋なのか?

TPOを弁えてるのか?

という悪印象を相手に与える。

*良くも悪くも「個性がある」ため変な違和感が生まれ、夜っぽい(遊びっぽい)印象になる。

つまり、名の知れた高級スーツでビジネスの場に行く事はない。

*50代以上や役職付きの御仁であれば問題ないが、30代以下の平社員が高級スーツなぞ着ない。

デートの場合でも、よほど年齢が高くない限り上下揃いのスーツを着る事はなく、いわゆる「ジャケパンスタイル」準拠の服を着る場合が多い。

*スーツだと決め過ぎで重い。ジャケパンで失礼のないスタイル(ビジネスとも同じ感覚で)の方がTPOに合う。

しかも、自分の体型が変わる&流行りも変わる。

あまり着ないうちに型遅れとなり、さらに着なくなる。

結果として、安く質の良いスーツ(2~5万くらい)を5年に一度以上のペースで買い替えて行く方が良い買い物になる。

*前述したように、仕事がスーツで年齢層の高い方(50代以上くらい)は当てはまらない。耐久性の面でオススメはしないが、実用面では使える(上長クラスが高級スーツならば文句も出ない)のでまだ現実性がある買い物になる。

若いうちの高級スーツほど使い所に困る買い物も少ない。

 

2、高級機械時計

某スイス時計。

20年所持しているが、使用回数は30回程度。

まず、高級すぎて「キズが怖い」。

修理するとシャレにならない金額がかかる(最低5万以上)ため、ぶつける可能性のある場面には持って行きたくない。

あとこれもスーツと同様な理由で、ビジネスや面接では着けていけない。

40代以降であれば「いい時計してますね」で盛り上がるかもしれないが、それ以下の若造(30代以下)が高い時計をしていると悪い印象を与えかねない。

*スーツと同様に「遊びに来てる」「金使いが荒い」「目立ちたがり屋」などの印象を与える。

不必要な軋轢は避ける方が良い。

なので結局、結婚式、葬式、遊びで見栄を張りたい場面以外では使わなくなる。

そして、極めつきは「オーバーホール代金」。

「5年に一度程度、5〜6万かかる」。

年1万である。

これがランニングコストとして「持っているだけでかかる」。

なので、そこそこの時計を数年に一度買ってるのと同じコストがかかる。

20~100万かけて買ったのに、だ。

ちなみに壊したら(落としたり、振りまくったり、内外装共に傷つく事をすると)、もっとかかる。

その上、時間はズレるし、3日使わないと止まる(自動巻きの場合)し、「相応の手間」をかけないと日常使いでも安定しない。

結果的に「G-SHOCKレベルの時計(2~3万)を気兼ねなく使う方がラク」。

電池交換も安いし、ベルトも安いし、壊れても2〜3万(新品買い替え)だし、耐水性もあり、防塵性もあり、時間はズレないし、落としても壊れないしで、便利、お気楽、安心の三拍子揃った時計である。

高級時計は一生使えるのは確かだが、それはカネと手間をかけるからこそ可能なのである。

見栄以外の部分では、G-SHOCKが圧倒的に勝っていた。

 

3、レース準拠で作られたバイク

某フルサイズオフロードバイク

当時新車で80万くらいで、現在の中古価格も80万くらいという鬼バイク。

6年で7,000kmしか乗らなかった。

確かに性能は一級品だった。

加速は速いし滑らかに高回転まで回る(単気筒なのに四気筒のように滑らかに回る)し、車体の剛性が高くて100km出しても怖くない安定性とブレなさ、コーナリングのしっかり感に加え、フルブレーキングでケツが流れても全く怖くない(コントロールできる感じ)安定性で、さすがオフロード最強を目指して作ったバイクなんだと感じさせる完成度だった。

しかしながら、優しさが全くない。

足つきはツンツン、ポジションは鬼キツい、シートは薄くケツが痛い上に低速スカスカで、街中にはほぼ非対応と言っていいレベルだった。

乗っても、雑な操作じゃ全然曲がらないし、ラフにアクセル空けると吹っ飛んでくし、とにかくどんな状況でも一流であることを求めてくるバイクで、乗り手に全く優しくない。

ハマる状況(オフロードか峠を飛ばすなど)で、万全の体調と精神状態で使うなら最高に楽しい。

…が、そうじゃない場面の方が多い一般人にとっては地獄。

気楽さ気軽さは一切なく、妥協なく乗るバイクだった。

その後に買った125㏄は5年で30,000km乗った。

なので、素晴らしいスペックと車体を持つ完璧なバイクよりも、気楽に乗れて快適に走れる「乗り手に優しいバイク」の方が、結果的に楽しめる事が多いのだと痛感した。

 

▪「机上の素晴らしさ」と「実体験の素晴らしさ」は違う

高スペックなモノは一見素晴らしい。

ぱっと見も派手でカッコよく「こういう使い方をするとカッコいい」「ハマる」という使用例も提示されていて、色々なイメージが膨らむ。

…が、実際使ってみると「緊張して使うモノ」であり、日常のあらゆる場面で快適に使うというよりも、提示されたピンポイントの場面でハマるモノなんだと確信する。

故に「特別な時に使うモノ」だと感じる。

半分以上は「机上の素晴らしさ」であり、恩恵を受けられる場面はとても限られる。

対して低~中スペックなモノは、カッコいいイメージこそないが、実際に使うと「ラクに快適に使うモノ」であり、日常で快適に使えるように作られたものなのだと感じる。

つまりは「実体験の素晴らしさ」であり、「ついいつもこれ使っちゃうよね」っていう優しさと快適性がある。

実際に使うとそれが良く分かる。

 

▪高級品は「大したことないんだ」と知る事が重要

「何か不必要なモノを特化した事で価格が高くなったもの」と言っていい。

モンクレールのダウンより、ユニクロのダウンのほうが気兼ねなく使える。

*東北より上に住んでれば恩恵もあろうが、東北より南であればオーバースペックである。

大型バイクより、125㏄の方がラクに使えるし、高速を快適に乗りたいなら250㏄の方がラクに使える。

*バイクは生身なので100km以上の巡航はキツいし危ない。80kmくらいが快適な場合が多いので、それ以上速度が出てもメリットが少ない。

実用品としての品物であれば、むしろ低~中価格品の方が優れている場合が多い。

「え?あれってむしろ不便じゃね?ユニクロの方がいいわ」「大型バイクってかっこいいけど使い勝手悪いよね。250㏄くらいが丁度良くて一番楽しいわ」っていうのを、「頭でも心でも分かるようになった時」に、本当に必要なモノを選んで使っている人になっていると、筆者は思います。

*実際に伝えてはダメです。険悪になる事うけあいなので。

 

▪まとめ

高級品はあくまでも高級品であり、必ずしも日常を便利にしてくれるとは限らない。

一度はどれかの高級品を使い「高級品って大したことねえんだ」と知る事で、自分に取って必要なモノを自分の軸で選べるようになります。

*「使う分には大したことない(快適ではない)」という事です。技術的、製品的には突出していて凄いモノである事が多いです。

実際の用途と製品をしっかりと見極められてこそ、必要なモノを選べるようになります。

価格はあくまでも「飾り」です。

自分にとって必要なモノをしっかりと選択していきましょう。