高いモノ=良い物という見方があるが、大半のやつはそうじゃないという事が最近分かった。
特にファッションにおいては「他人との差別化」がキーワードになりやすい。
そして、その差別化は「高い価格によって行われる傾向がある」。
ユニクロのスーツより、ブリオーニのスーツの方が偉い(お洒落)的な方向。
しかしながら「差別化の満足感」と「実際に使って快適かどうか?」というのは、ほとんどの場合一致しない。
その辺を言語化しておこうと思ったので、メモ書きしてみる。
◼︎モノが高い理由
1、コストが高い
単純に、品質が高いから価格も高いタイプ。
日本人的な価値観だとこっち。
高いコストで、高耐久性があり、職人の技を持って仕上げた生産数の少ないトヨタのセンチュリーなどが代表的。
価格はおよそ2000万だが、内容を考えると妥当。
買うのに身分証明が必要で、上場企業の役職付き以上じゃないと買えないと言われる。
*カタログはもらえる
ホンダバイクのフラッグシップである「CBR1000RR-R fireblade」などもそう。
*約280万だが内容から考えると格安。ブガッティくらいのプレミア価格でも売れる性能がある。
無印やユニクロのダウンも同じで、あの2メーカーにしては高く感じるかもしれない(20000円近い価格)が、モンクレールの日本版ダウン(薄手で見た目重視にしたやつ)とほぼ同等以上の性能を誇るが、値段は半分以下である。
しかしながら、世界的に見て高コスト高性能で高価格という商品はとても少ない。
高いカネ出せば良い物が買えるというのは、ある意味で「日本だけ」なので、注意が必要です。
2、高い価格に意味があるから高い
高い事に意味があるという商品が存在する。
2-1、高価格による差別化
ブランド的なやつ。
「普通の人が買えない値段だからこそ意味がある」という。
ファッションに特に多い。
耐久性がなく、製造コストも低いが、高い値段で、高い利益率を誇る。
アウディも中身はフォルクスワーゲンと同等であり(アウディはVWグループ)、見た目とブランドにこだわらないならVWの方がコスパが高い。
この高価格商品は「皆んなが買えないくらい高いことに意味がある」。
要するに「商品の良し悪しとは別の所で値段が決まる」。
内容を見ると不当レベルなんだが、それを好んで買ってる方もいるため、商売としては成り立つ。
2-2、資産価値
高級時計とか、フェラーリとか。
量産しない(できない)代わりに、販売数を少なく、高価格で、少数精鋭で販売する。
すると、希少性から長期的な資産価値が高く、持っている人が損をしない形となる。
みなおかの買うシリーズなどを見ると分かりやすいんだが、トレンディーエンジェルの斉藤さんが買った「パテックフィリップのノーチラス」が、2012年時点で「約500万」。
11年経った2023年現在の価格は「約1000〜4000万」である。
*モデルにより異なる。
ロレックスも見たようなもんで、サブマリーナなどは2000年辺りは20〜30万で買えた。
2023年現在の価格は定価100万、一般流通価格が約200万である。
オメガのスピードマスターなんかは2000年くらいは投げ売り8万で買えて、成人式のお供として人気を博していたくらいの値段だった。
とにかく「値下がりしないという事に価値がある」。
職人が一本一本手作りとかあーだこーだのたまうが、要するに「量産して値下がりしないようにしてる」。
高い値段でも投機としての価値があるため人気があり、商売が成り立つ。
ちなみに一時期のスイス銀行も同じやり方をしていた(スイス通貨を高騰させて、預金の価値を維持する)ので、スイスの高級時計から始まったこの流れは納得のやり方だったりする。
ちなみにこちらも「内容は不当」で、メンテ代やパーツ代も激高。
なので「普通に使うために持つのは損でしかない」。
「投機としてあまり使わずに綺麗に所持する」ならば得なので、その辺を勘違いしないようにしたい。
◼︎高いのが良いわけじゃない
高価格=高性能=日常使い最高「ではない」。
高価格は通常「別な意味がある」。
日本に住んでると大体は高価格=高性能だが、海外製品はそうでないモノが大半である。
他人との差別化や優越感が欲しい、投機として値下がりしないモノが欲しい場合は最適解なので、ご自身が何を求めてるか?をハッキリさせてからご購入下さい。
◼︎日常で使う製品は「質」を見抜こう
その内容でその価格は妥当なのか?
耐久性は?使いやすさは?
ブリオーニのスーツは確かにカッコいい。
しかしながら、ユニクロのスーツとの差はどれくらいあるのか?
耐久性と買い直しやすさ、使いやすさを考慮した場合、どちらの方が「本当に満足出来るのか?」。
海外で売れまくってるヤマハのプレミアスクーター「TMAX560」も同じ。
ホンダのフォルツァと比較した場合、どれくらい差があるのか?
高コストなアルミフレームや別体スイングアームの「効果」と「コスト」は、釣り合っているのか?
自分が「実際に使う場合」に、高いパーツ代や余剰性能やプレミア感といった余分なモノを除いた時の「使い勝手」はどうなるか?
つまり「実際の満足度」にどの程度の差があるのか?と。
いつも使うモノで重要なのは、外見やイメージではなく「内容」です。
人との違いや、投機目的などの「外的要因」と、実際に使って快適という「内的要因」はしっかり分けて考えましょう。
日常使いは「質が高い方が満足度が高い」です。
価格ではなく、内容を見て商品を選んでみて下さいませ。
お読みいただき、ありがとうございました。