2016年まで乗ってた愛車が「とんでもねえ値段が付いてた」。
なので「イキリ(自慢)半分」「役立つだろうと言う思い半分」で記事を書いてみた。
よろしければお読み下さいませ。
◼︎前口上
昔々「オフロードのR1」という触れ込みで発売されたバイクがあった。
その名を「WR250F」。
それをオンロード&ダート対応にしたバイクが「WR250X」。
筆者の元・愛車である。
元・乗り手だからこそ分かる「オフロードのR1に違わぬ性能」をご紹介する。
▪︎凄さ
1、どんな状態でも破綻を感じない車体バランス
フルブレーキで簡単にリアがスライドする。
これはケツを振ってコントロールするダートの流れを汲んだモノ。
凄いのはここからで「スライドしても全く怖くない」。
ネイキッドなどでリアスライドした事ある人は分かると思うが、普通はリアが滑ると怖いと感じる。
筆者は過去にゼファーχに乗っていたが、あれのリアスライドは普通に怖くて、コントロール出来るとは微塵も感じなかった。
しかしながら、WR250Xは別。
「全然怖くない」。
その状態をコントロール出来るように作られているため、滑っても不安定さというか不安感が全くなく、なんなら「スライド量をコントロール出来る」と感じる安定感がある。
なので、滑ったところで「あ、滑ったな」くらいで、そこから破綻するような感じが全くない。
これ以上は長くなるので割愛するが、フル加速の時もそうだし、バンクさせていった時も同じ。
どんな状況でも「破綻する感じがしない」という「絶大な安心感」がある。
2、単気筒なのに4気筒並みのキレがあるエンジン
もの凄く滑らかに、綺麗な音で、高回転まで吹け上がる。
ゼファーχ辺りの4気筒よりも、滑らかに綺麗に回る。
*ゼファーはゴロゴロ感というか引っ掛かりというか「強引に回してる感じ」があるが、WR250Xはモーターのように綺麗に回る。
パワーバンドも上の方にあるため、4気筒に乗ってるかのようにぶん回しながら気持ち良く乗る事も可能。
かといって、4気筒ほどパワーバンドを外した時のトルクの薄さもないため、扱いやすさとぶん回しやすさを両立。
「250ccなのに」だ。
このエンジンも驚異的だった。
3、高速全開でも全く怖くない車体剛性
車両重量が約130kg。
普通、この軽さで高速道路を走ったら、安定感がなくて怖い。
120kmも出そうもんなら、すぐ疲れちゃうくらいのストレスを感じる。
「WR250Xは余裕」。
140kmでも鼻歌レベルのリラックス感で走れる。
この車体剛性は、少なくとも中型免許で乗れるレベルを遥かに超えている。
4、なのに超軽い車体
上記の破綻しない車体剛性+4気筒のように吹け上がる破格のエンジンが「約130kgの車体に積まれている」。
ほとんどレースバイクと言っていいレベル。
5、圧倒的なデザイン
スポーツや走りを意識した流線型デザインながら、硬派なガッチリ感もある絶妙なデザイン。
確かな内容に加え、さらに「カッコいい」という隙のなさ。
当時はKTMのレースベースのモタードと2強を争っていたが、デザインも性能もWR250Xが上だった。
どこへでも胸を張って出かけられる名車中の名車だった事は間違いない。
▪︎WRシリーズは「知る人ぞ知る名車」
スペック上は大した事ないが、もの凄く作り込まれた車体バランスで、少なくとも中型でナンバーワンのトータルバランスを誇るバイクだった。
その上、今見てもカッコいいデザイン。
一般ウケしない事を含めて、マニア向けの性能とデザインを両立した「知る人ぞ知る名車」だったことは間違いない。
▪︎本物を見抜く目のある人に乗って欲しい
今はもう見た目や名前も確かなので、知名度や憧れで選ばれるバイクではある。
しかしながら、このバイクの真骨頂は「乗ってこそ分かる」。
フルブレーキでリアが簡単に滑らせられる強力なブレーキ。
リアが出ても「全く怖くない」という車体バランスと剛性。
フル加速でほぼ4気筒のように吹け上がるエンジン。
130kgしかないのに、140km出しても微塵の不安もない車体剛性。
曲がる、止まる、加速するという「バイクの基本」に対して、しっかりと作り込まれた「もの凄く高い基本性能」こそがWR250Xの真骨頂。
街乗りでも良いが、峠やダートなどのバイクの基本が試される所で真価を発揮する「バイク」です。
▪︎まとめ
今やプレミアムバイク化していて、おいそれと買えないバイクになっているWRシリーズ。
確かな車体剛性とエンジンに根差した「基本がしっかりと作り込まれたバイク」です。
この良さは「乗ってこそ理解出来る」ので、機会があれば一度乗って下さい。
低価格のネイキッドやSSなどの「サーキット前提になっていないバイク」とは根本から違った、「本気でレースが出来るバイクの凄さ」を感じていただけるかと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。