*最初に追記
明らかに「引用もなく転載された」ので、少しだけ。
人の記事をパクるのであれば、転載元は記載しましょう。
そうすればアクセスが入ってくるので、パクられた側も損をしない。
しかしながら、引用元を何も書かないでパクると「パクった側しか得をしない」。
言ってる意味は分かるよな?
この先、無断でパクって転載元を記載しないやつは、場合によっては直接法的手段に訴えます。
無断転載は違法です。
よろしくお願い致します。
追記終わり。
「品のないカスタムの代表格として扱われる」このビッグスクーターブーム。
ど中心にいたやつはさておき、流行り始めからビッグスクーターに乗ってた、いわゆる「ちょっと外側でビッグスクーターに乗ってた人達」が選んだ理由を解説。
◼︎完全なる流行りモノの1つ
いわゆる「これ持ってたらカッコいい」の1つだった。
藤原ヒロシ氏の出始め〜エイプ創業期の「原宿ファッション」と「2強」と言っていいレベルの流行り方。
最初は「TW200」がスタートし、これをカスタムして乗るという文化が始まった。
ノーマルのこれを…
このようにカスタムする
という文化が始まったのが95〜98年辺り。
この完全に根付いたカスタム文化を「引き継ぐ形で登場した」のがビッグスクーター。
おっさんの乗り物だったビッグスクーターに、ライトカスタム(ショートスクリーン、バーハンドル、マフラー交換)をする事で、めちゃくちゃカッコいい新しいスタイルになるという事で始まった。
最初は文字通り超ライト。
このマジェスティを…
これにする
のを、いわゆる「ライトカスタム」と言うようになった。
*画像は全てバイクブロス様。
この時は流行り物「以前」の段階で、知ってる人は知ってるけど、皆んなが買うようなモノじゃないという感じだった。
このライトカスタム全盛期を「前期」とする。
オーディオの出始めがここ。
車のVIPカーの流行などもあり、オーディオをガンガンに垂れ流すスタイルが流行った。
それをワンオフでビッグスクーターに組み込み始めた人が現れ出した。
ここで流行った理由は「誰もやってないから」。
誰もやってないカッコいい(目立つ)カスタムをやりたいということで先鋭層が始めたのがここ。
最初は20万くらいかかるカスタムだったのが、後から公式で搭載してくる事態にまで発展した。
ちなみに余談だが、ビッグスクーターブームはフュージョンから始まったとか、色々言われる。
が、正確には「スタートはマジェスティ」。
マジェスティカスタムが爆発的に流行る→マジェの値段高騰&人と同じモノが嫌な人がフュージョンに流れる→フュージョンも高騰→ホンダが再販
という流れ。
フュージョンが再販された頃にはもうビッグスクーターブームが確定していた。
どちらかというと「マジェスティがなんか気に入らない」という、いい意味でのへそ曲がり(古着好きタイプの人)がフュージョンに流れた。
結果、10年落ちの状態不明車ですら70万〜100万で取引されるようになり、盗難も横行。
事態を重くみたホンダさんが急遽販売して落ち着くという流れがあった。
んで、いざ販売されて、いつでも手に入るようになると「あんまり欲しくない」という。
「タマ数が少ない」「レアバイク」「値段が高い」「人と違うセンスで遊べる」ということで暴騰していたのだが、いつでも誰でも買える状態になった事で、この価値がなくなった。
*04年に終売。
この辺からは「流行り」と言っていい状況であり、今でいう「TikTokの流行り始め」、「ニコニコ動画の歌ってみた出始め」ぐらいの認知度という感じだった。
そうして、オーディオ全盛、エアロ全盛の「誰もが知っている」いわゆる「ビッグスクーターブーム(後期)」に突入していく。
オーディオを搭載したFORZAが05年に発売。
これを皮切りに、スクーターカスタムが下品な方向に進化していく。
後期にはクルマでも流行ったVIP系カスタム(ローダウン+エアロ)を現すのに最も良い素材であった事から、VIP系ストリートカスタム素材として定着した。
上の画像のマジェスティがこうなる。
そして、よりロー&ロングにしたヤマハのマグザムが登場し、こうなる
*画像はバイクブロス様。
この辺りで、新しいモノ好きで先鋭的な事が好きな層(98〜02年辺りにビッグスクーター(ライトカスタム)に乗り始めた人)は完全撤退。
中期に乗り始めた人もついていけない感じになってきた。
前期は「オシャレな人で楽しいことが好きな人」が乗っていたが、後期は「ただ目立ちたい下品な人」が乗っている感じ。
いわゆる「流行ってるから乗っかってくる人」が大挙して押し寄せてきた。
ビットコイン云々とかと一緒で、流行ってから入ってくる人というのは、楽しさや面白さよりも、なんか他の事をメリットに入ってくる。
そういう人達が05年辺りから追従し、大ブームになった。
*05年からAT限定免許が開設された。一般的にはこの辺(05〜07年辺り)を「ブーム絶頂期」とする。
が、上述した通り、楽しんでた人たちにとっては魅力半減していたし、普通の人たちにとっては入っていけない感じになり始めていた。
徐々に先細りし始め、色々あって07〜09年辺りには完全に終焉。
ブーム以前の「おっさんの乗り物」に戻りましたとさ。
ブームになるほどマルチな層にウケた理由がこれ。
荷物は入る、二人乗りもラク、ATで操作簡単&疲れない、乗り心地は良い、高速に乗れる、しかもクルマに比べて車両が安い上に、維持費も安い。
街乗りからツーリングから買い物までこなせる完璧な利便性に加え、タンデムでも同乗者の負担が少なく遊びに行ける。
要するに「クルマの代わり」。
カネのない若者が、維持費が安く、燃費も良く、自由に移動でき、さらにカッコいい乗り物を求めた結果、ビッグスクーターに行き着いた。
その結果、一大ブームとなった。
余談として、ビッグスクーターが、スーパースポーツ(以下SS)やネイキッドなどの走行性能をウリにしたバイクが好きな人と相容れない理由はここにある。
SSやネイキッド乗りは「乗る事自体を楽しむ」のに対し、ビッグスクーター乗りは「乗って得られるモノを楽しむ」。
SS乗りにとってはバイクは相棒であり、胸のすく強烈な加速を楽しんだり、峠やツーリングに行ったりなどの「非日常に連れて行ってくれる手段」であり、それを楽しむためにスペックは高ければ高い方が良い。
しかし、ビッグスクーター乗りにとってはバイクは道具であり、ちょっとコンビニまでとか、ちょっと景色のいい場所まで行ったりとか、ちょっと友人と一緒に買い物に行ったりだとかの移動を快適に楽しくしてくれる「日常を豊かにしてくれる手段」であり、快適に乗れるのであればスペックは気にしないのである。
一部のSS乗りがビッグスクーターを軽視するのと同様に、ビッグスクーター乗りもSSに対し「あんな乗りにくくて危ないの乗ってバ○なんじゃねーの?」と思っている。
使い切れない不必要なパワー、乗りにくいポジション、一番使う信号待ち発進からの低速回転数のパワー不足に加え、荷物は入らない、足つきは悪いで、正直なんだこれ?と思う事請け合いである。たまに使うならまだしも、日常であれ使うとかないわーっていう。
筆者はWR250XというオフロードのR1というコンセプトのスパルタンなバイクに乗っていたが、まさに上記のような感想を抱いた。
高回転域は速いけど日常で使う低回転域がエンストしそうなくらい弱く、本気で走るにはいいけど快適とは程遠いポジション、本気で体重移動しないと曲がらない車体、バスケのボールすら入れられない収納で「普段使いの快適性は皆無」だった。
その代わり、ピンポイントでハマる使い方をすれば(ぶん回せる場所で本気で乗る場合)楽しい。
…が、「そんな場所はほぼない」のである。
ほとんど使わない場面での楽しさを追求したバイクより、街中をちょろっと走っても楽しいバイクの方が「乗っていて楽しい」。
ビッグスクーターなら、ATでラクラク最大加速+信号ダッシュも余裕、快適なポジション、荷物は入るで、ちょっとそこまでの遊びもツーリングも快適にこなしてくれるのである。
しかも、バイクらしい風を切って走る移動の楽しさは変わらない。
もちろん、この差は「求めてる事が完全に違うから」である。
ちなみにこれは他のジャンルも同様で、アメリカン(ハーレーとか)好きは「あの振動とスタイルが好き」なのでそのジャンルが唯一無二になるし、オフ車なども同様である。
SSのメリットはSSでしか味わえない。
しかし、ビッグスクーターのメリットも、ビッグスクーターでしか味わえない。
筆者のようにビッグスクーターのメリットに最大の魅力(快適な移動、利便性、気楽さ、街中での楽しさ)を感じる人間にとっては、誰に何を言われようとビッグスクーターが最強だったりします。
▪︎ブームの終焉の引き金は「車両価格が上がった」事
要は「バイト代で買えない値段になった」。
マジェスティCという火付け役モデルが50万円台なのに対し、ブーム後期の車両(上記画像のマグザムなど)は、70万円越え。
っつか、前期(98〜02年辺り)の場合、当時の10〜20代前半(要は学生)は40万前後の中古車を買って乗るのが当たり前であり、高えカスタム(ローダウン、ロンホイ、オーディオ辺り)をしてるやつは「ごく一部」だった。
どうせ(ライト)カスタムするから安い車両がいいという事(さすがにノーマルで乗るのはダサかった)と、新車価格が高くて買えない若年層が中古車に殺到した。
その結果、中古車が高騰&死滅した。
程度の良い中古車は04年辺りで完全壊滅し、高年式のバイクは流行りを反映した高価格となり、中古でもほぼ新車価格とかいう空前の業者価格で取引されるようになった。
通常、バイクはカスタムしてる車両が値下がりするんだが、このブームの時は「カスタム車両の方が高い」という現象すら起きたほど。
さらに輪をかけて新車が暴騰した結果「終焉」となった。
…それと同時に、若者特有の問題がトドメを刺した。
◼︎「飽きた」
先鋭的で乗ってるだけでお洒落だったはずのビッグスクーターが、流行りすぎたおかげで「どこを見てもビッグスクーター」になってしまった。
もはやそこに個性などない。
むしろ乗ってる事が量産型でダサいという感じに。
そこで違いを作る方法は2つ。
「より目立つ方向に行く」か「別の乗り物に乗る」か。
05〜07年を分岐点としたのはこれ故。
ここ(05〜07年辺り)からビッグスクーターが飽和し、下品カスタムが加速。
オーディオ充実、派手エアロ、超ローダウン、爆音マフラーの迷惑カスタムが横行する。
そして、初期世代(98〜02年辺りから乗ってた人)は、大半が社会人になり、人によっては子供もでき、乗り換え時期に来たビッグスクーターから「クルマに移行した」。
結果として、初期ブームを牽引した良識ある層はクルマに移行し、普通の人は買わなくなり、目立つために派手カスタムをする輩だけが残った。
98年くらいに所さんが初期マジェをいじって始まったお洒落アイテムが、下品カスタムの定番化をして完全に幕を閉じたのが10年辺りである。
好きなやつだけが乗る、欧州産コミューター+スポーツバイクに生まれ変わった。
こんな感じに。
なんつーか、フォルクスワーゲンのゴルフみたいな感じで「走りがいい贅沢なコミューター」という方向へ。
車高高い、ボディ小さい、タイヤサイズ大きいで、走りが進化した。
ロー&ロングでアウトローな感じが強かった当時と違い、スポーツバイクのようなシュッとした背の高い感じで、クリーンさを漂わせる佇まいに。
ビッグスクーターの良さ(シート下容量、二人乗り快適、高速乗れる、お手軽AT操作)はそのままに、より走りが快適な方向になった。
結果として、旧来のビッグスクーター好きには受けない見た目+日本での「手軽に乗れるスクーター」という形からは逸脱した。
*シート高が高く、信号が多い街乗りで手軽に使うには一定以上の身長(170cm以上)が必須となった事と、有料駐車場問題(国が運営する駅駐輪場は大半が125ccまで)により、現在はPCXがそのポジションを担っている。
逆にいうと、98年当時のように「他人と被らない唯一無二のお洒落バイクに戻ってきた」とも言える。
利便性はほぼそのまま(それなりの身長があり、駐車場問題を大型バイクと同じように解決できる方であれば)だが、売れてないのである。
筆者のようなビッグスクーター好きには最高の環境である。
*フォルツァが年間600台、XMAXが不明なほど売れてない。モデルチェンジ末期の2022年で…だが。
なので、次は確実にビッグスクーターを買う予定です。
▪︎まとめ
ビッグスクーターブームは「当時の最先端」でした。
1つのアイコンというか、ちょっとカスタムされたビッグスクーターに乗ってるという事がカッコいいという。
副次効果として「利便性最強」。
実はクルマの代わりにもなり、一石二鳥だという事で若者が集った結果の一大ブームだった。
その結果ビッグスクーターが飽和し、より目立とうとする輩(乗ってるだけで注目を集めるようにしたい人)が、品のないカスタムに走った。
その頃、メーカーにとっても美味しい市場となっていたビッグスクーターに対し、過剰な装備(純正オーディオとか、MTモードとか)を加えた高価格な商品を投入。
それが丁度、中古車が死滅していた時期と重なり、中古なら乗り出し40万で買えたビッグスクーターが、新車中古車問わず乗り出し70万以上出さないと買えない感じになった。
そんなカネを出して買ったところで、街を走ってるのはビッグスクーターばっか。
目立つのは品のないカスタム車両。
「もう飽きたし、いっか」となったのが07年辺りで、その頃に入った人も10年辺りには飽きて他に移行し、ビッグスクーターのカスタムという文化は幕を閉じた。
ビッグスクーターブームの渦中にビッグスクーターに乗っていた自分としては、上っ面をなぞったメディアの記事に違和感を持ったので書いてみた。
ちなみに、現在はビッグスクーターブーム手前のような「乗っていればカッコいい」かつ「他人に被らない」という状態です。
しかも利便性は当時のまま…っつか、よりパワーアップしてる。
*身長と駐車場がクリアできればではあるが。
筆者のようなビッグスクーター好きには最高の状態なので、次はビッグスクーター買います。
そんな感じ。
何かの参考になれば幸いです。